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【ニュース】土下座させ学生の頭踏む=医学部教授を停職―横浜市立大

時事通信 7月29日(金)13時0分配信

土下座させ学生の頭踏む=医学部教授を停職―横浜市立大

 横浜市立大医学部の男子学生=当時(20)=に暴言を吐いたり、暴力を加えたりしたとして、同大は29日、医学部の50歳代の男性教授を停職3カ月の懲戒処分とした。

 同大によると、教授は被害者学生とは別の医学部の学生から相談を受けた際、被害者学生の問題行動が原因と思い込み、2月22日の医学部の学期末試験開始直前、試験会場で被害者学生に名誉を傷つける発言をしたという。

 被害者学生は身に覚えのない暴言の理由を聞くため教授の部屋を訪ねると厳しい叱責を受け、土下座をさせられ、頭を足で踏みつけられ、頭を丸めることを要求された。
 教授は同大の調査に対し、自らの一方的勘違いに基づき暴言や暴力を振るったことを認め、「心よりおわびし反省している。大学教員として持つべき品位、品格を持ち得ていなかった」と話しているという。

Yahoo!のコメント欄には、「停職!?クビだろ!!!」「ただの暴力じゃないだろ。
土下座させて頭を踏みつぶすなんて、全裸にさせる、唾を吐きかける等人間に極度の屈辱を与える暴行じゃないか!こんな奴はクビだろ!」「職権乱用!」「とんでもないアホ。」など、教授に対するかなり激しい意見が飛び交っていましたが、私が上記の記事内容の中で最も気になったことは、「被害者学生とは別の医学部の学生から相談を受けた際、被害者学生の問題行動が原因と思い込み」という点でした。

一体どんな内容の相談を受けたのかはわかりませんが、噂話や相談に対して、最も避けるべきことは「片方からの話だけで判断する」ということなのではないかと思います。

相談をもちかける目的というのは、2種類あると思います。
1) 本当に困っていて、どのように解決したら良いのかわからないため話を聞いてほしい
2) 許せないので、どうにかして特定の人を制裁してほしい

「被害者学生とは別の医学部の学生」は、もしかしたら後者であった可能性もあります(もちろん、前者だった可能性もあります)。

私の中のイメージでは、この教授は正義感が非常に強い性格で、相談を持ちかけた学生の話を全て信じてしまい、「けしからん!」と怒りを爆発させてしまったのではないかと思います。

幸い反省しているのとことですので、これから相談事に相談者以外の人物の話題が入ってくる時、あるいは噂話に対応する時には、「話題にあがっている当事者」の意見も真摯に聞き、その上で客観的に判断することをぜひ心がけて頂きたいものです。 

また、自分の生命に危険を感じた時でない限り、
どんな理由であっても暴力は絶対に許されるものではありません。

教授に対する「停職3カ月」という現実的かつ厳しい処分を下した横浜市立大の対応に、「暴力・暴言は許さない」という毅然とした誠意を個人的に感じました。

Yahoo!のコメント欄には、「解雇じゃないのか」といった意見も多くありましたが、現実的には解雇されることはほとんどないのではないかと思います。
初回である、ということを考えてみても、相当厳しい処分だと思います。

不要な怒りから生まれる暴力・暴言が少しでもなくなり、お互いに尊厳を持って日々を穏やかに過ごすことのでできる世界がさらに広がりますように。
私の心からの願いです。

【ニュース】市民の暴言で窓口職員PTSD、公務災害認定

読売新聞 5月6日(金)14時58分配信

兵庫県内の自治体で窓口業務を担当していた女性職員が、市民からの暴言を受け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症し、地方公務員災害補償基金兵庫県支部から1月に公務災害として認定されたことがわかった。

自治体の窓口業務を巡るトラブルで、職員の精神疾患が公務災害に認められるのは珍しいという。

女性から相談を受けたNPO法人「ひょうご労働安全衛生センター」(神戸市)や同支部によると、女性は2008年8月、窓口を訪れた市民に「インターネットに名前を載せる」「はよ死ね」などと言われた。その後、女性は窓口でのやり取りを思い出しておびえる「フラッシュバック」や、勤務先に近づくと鼓動が速くなるなどの症状を訴え、PTSDと診断された。

<最終更新:5月6日(金)14時58分>読売新聞

自治体で職場のいじめ・ハラスメントの調査をした時、自由記述欄で多かった意見が「社内ではそうゆうことにあっていないが、窓口で住民の方から暴言やクレームを言われることが辛い」というものでした。

住民の方も、言いたいことがたくさんあるのかもしれません。しかし頭に熱がのぼった状態で暴言を吐いても、恐らく事態は良い方向には変わらないでしょう。自治体で働いているかたも、人間です。

不満があるのであれば、
・どの点が不満に思っているのか
・なぜそう思うのか
・では、どうしたらそれが解決するのか
を3点セットで伝えた方が、納得がいく返答が得られる可能性が高いのではないでしょうか。
しかも、誰も傷つけることなく。

【ニュース】東大、アカハラで50代准教授を懲戒処分

毎日新聞 4月28日(木)12時20分配信

 東京大学(東京都文京区)は28日、50代の准教授が01~09年、ゼミで指導する大学院生数人に「アカデミック・ハラスメント」にあたる威圧的な言動を繰り返していたとして、27日付で停職2カ月の懲戒処分にしたと発表した。

 大学によると、准教授は大学院生を怒鳴りつけミーティングでの発表をさえぎったり、研究室で飲酒したまま指導。准教授は反省しているという。09年7月に大学のアカデミック・ハラスメント防止委員会に被害の申し立てがあり、聞き取り調査で判明した。

 田中明彦副学長は「全学を挙げて再発防止に当たっていきます」とコメントした。【真野森作】

東大にも、色々な人がいます。
私の所属する研究室ではこういった威圧的なアカハラには無縁ですが、他の研究室の話を聞くと、全く指導してくれない、教員の関心のあるテーマでしか研究を認めない、というケースはあるところにはあるようです。残念ですが。

しかも研究の世界というのは非常に狭いので、そこで訴えて教員の恨みを買うと、就職への不安が大きくなり、なかなか表に出すことができないという現状もあると思います。

まずは友人に相談すること、そして可能であれば、話を聞いてくれる違う研究室の先生に相談して味方をつけること、これが解決への近道かな、と思います。
途中で研究室を移動する、という選択肢もあると思います。

東京大学では学生相談ネットワーク部が発行する『アカデミック・ハラスメント防止ヒント集』という冊子を作っていて、これまでのアカハラに関する相談事例・対応方法などが載っていて興味深いです。悩んでいる方は、そういった冊子も読んでみるとヒントが得られるかもしれません。

人と人が関わりあう場所には、どんなところにも、つい他人を傷つけてしまう人がいるものです。ただ逆に、よく話を聞いてくれて、自分のことを親身に考えてくれる人も必ず周りにいます。

そうゆう人が一人でもいるだけで、人は救われます。
自分も将来指導する立場になった時に、そんな存在でいたいと強く思います。